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新潟市の外国人住民を見える化――受け入れの現状と、地域で共に暮らすための課題

2026年9月25日

新潟市の外国人住民を見える化――受け入れの現状と、地域で共に暮らすための課題
【はじめに】
この記事は、日本で働き、暮らす外国人への差別や排除を促すためのものではありません。互いの文化や立場を尊重しながら、日本の法律や地域のルールのもとで、外国人と地域住民が安心して共に暮らすには何が必要かを考えるものです。

外国人の受け入れをめぐって、日本ではさまざまな意見があります。

「人手不足を支えてもらうために必要だ」という声がある一方で、生活習慣の違いや治安への不安から、受け入れに慎重な意見もあります。しかし、印象や一部の出来事だけで、新潟市に暮らす外国人全体を判断することはできません。

無条件に受け入れるのでも、外国人というだけで拒むのでもなく、まず新潟市の実態を数字で確認する必要があります。そして、受け入れるのであれば、日本の法律と地域のルールを守ってもらうことはもちろん、雇用する企業や行政にも、働いている間だけでなく、離職や生活困窮まで見据えた責任があると私は考えます。

新潟市の外国人住民は8,258人

新潟市の住民基本台帳によると、2026年8月末の外国人住民は8,258人です。男性4,231人、女性4,027人で、男女比には大きな偏りはありません。

同時期の新潟市人口は約75万人であり、外国人住民の割合はおよそ1.1%です。増加傾向にはありますが、市民の約100人に1人という規模であり、「市内のどこに行っても外国人ばかり」という状況ではありません。

区別では、中央区が2,807人で最も多く、東区1,334人、西区1,204人、北区1,151人と続きます。

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図1 新潟市8区の外国人住民数(2026年8月末、新潟市住民基本台帳)

中央区 2,807人
東区 1,334人
西区 1,204人
北区 1,151人
江南区 571人
秋葉区 407人
西蒲区 404人
南区 380人
合計 8,258人

西区では、西区役所管内615人、西出張所管内423人、黒埼出張所管内166人です。新潟大学に近い地域に留学生が多いことが考えられますが、市の公表資料だけでは、住民一人ひとりが学生なのか就労者なのかまでは分かりません。

また、西区は2026年7月末の1,277人から8月末には1,204人となり、1か月で73人減っています。留学生の卒業や転居などの影響も考えられますが、理由を示す資料はなく、推測で断定すべきではありません。

中国、ベトナム、ネパール、インドネシアが多い

国籍別の最新公表値は2026年7月末現在で、中国1,597人、ベトナム1,170人、ネパール946人、インドネシア822人、韓国733人、ミャンマー576人、フィリピン542人などとなっています。

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図2 新潟市の外国人住民・主な国籍別人数(2026年7月末)

同じ「外国人住民」でも、留学生、技能実習生、特定技能、専門職、永住者、日本人の配偶者など、来日の目的や生活状況は大きく異なります。「外国人」や「移民」という一つの言葉でまとめると、実態を見誤ります。

若い世代が多く、地域の働き手にもなっている

2026年7月末の年齢別統計では、外国人住民8,273人のうち、15歳から64歳までが7,447人で約90%を占めます。特に20代が多く、20~24歳が1,957人、25~29歳が1,708人です。

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図3 新潟市の外国人住民の年齢構成(2026年7月末)

これは、留学や就労を目的として新潟市で暮らす人が多いことを示しています。ただし、新潟市は在留資格別の住民数を公開していないため、市内に留学生、技能実習生、特定技能の人がそれぞれ何人いるのかは、現在の公開資料だけでは分かりません。

「学生なのか、働いているのか」という基本的な問いに、市単位で明確に答えられないこと自体が、今後の受け入れ政策を考えるうえでの課題です。

どんな仕事に就いているのか

新潟市だけの職業別統計は確認できないため、ここでは新潟県全体の数字を見ます。

新潟労働局によると、2025年10月末の県内外国人労働者は16,626人で、前年より2,268人、15.8%増え、届出が義務化された2007年以降で最多となりました。

産業別では製造業が6,347人、全体の38.2%を占めます。次いで、サービス業が12.2%、卸売・小売業が11.8%です。製造業の中では食料品製造業が外国人労働者全体の19.9%を占めています。

在留資格別では、技能実習が5,558人で33.4%、専門的・技術的分野が5,062人で30.4%、永住者など身分に基づく在留資格が3,115人で18.7%、資格外活動が2,229人で13.4%です。このうち留学生のアルバイトなどに当たる「留学」は1,960人でした。

技能実習生は製造業に56.6%、建設業に22.8%が就いています。外国人労働者は、食料品工場や建設現場など、地域の暮らしと産業を支える仕事を担っていることが分かります。

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図4 新潟県の外国人労働者・産業別構成(2025年10月末)

賃金は十分なのか

新潟市単独の外国人賃金統計は公表されていません。全国調査では、在留資格によって賃金に大きな差があります。

厚生労働省の2025年外国人雇用実態調査では、1か月当たりの賃金は、専門的・技術的分野が27万4,900円、身分に基づく在留資格が24万2,000円、特定技能が22万9,900円、技能実習が21万円などでした。年齢、勤続年数、職種、労働時間が異なるため、日本人との単純比較はできません。

問題は、外国人だから安い労働力として扱ってよい、という発想です。日本人が避ける厳しい仕事を、低い賃金と不安定な立場の人に任せるだけでは、持続可能な地域経済にはなりません。同じ仕事には同じ基準を適用し、残業代、社会保険、安全管理、住居費の控除などを見えるようにする必要があります。

来日前の借金が、離職後の困窮を深くする

全員ではありませんが、技能実習生の中には、来日前に送出機関や仲介業者へ多額の費用を払い、借金を抱えて来日する人がいます。

出入国在留管理庁の調査では、技能実習生の85.3%が来日前に送出機関へ何らかの費用を払い、その平均額は約52万円でした。出身国の物価や所得を考えれば、非常に重い負担です。

仕事を失ったとき、収入だけでなく会社の寮も同時に失う場合があります。家賃や食費、携帯料金、借金返済を抱えたまま、日本語が十分でなければ、相談先や次の仕事を探すことも簡単ではありません。

正規の生活手段を失った人が孤立すれば、違法な仕事や犯罪組織の勧誘に巻き込まれる危険も高まります。もちろん、困窮は犯罪を正当化する理由にはなりません。しかし、人を労働力として呼びながら、離職した途端に衣食住を失わせる仕組みを放置すれば、本人にも地域にも危険を生みます。

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図5 来日前の借金から離職後の困窮へ至る問題構造(概念図)

技能実習制度には、暴力、ハラスメント、重大な契約違反など「やむを得ない事情」がある場合に実習先を変更する制度があります。2024年11月から運用は改善されましたが、制度を知らない、日本語で申し出られない、次の受け入れ先が見つからないといった壁が残ります。

犯罪やトラブルは、印象ではなく比較できる数字で

全国では、来日外国人による刑法犯の検挙人員は2004年の8,898人をピークに減少し、2024年は6,368人でした。ただし、「来日外国人」は永住者などを除く警察統計上の区分であり、外国人住民全体とは一致しません。

また、検挙件数は犯罪率そのものではありません。在留者数の増減、年齢構成、罪種、警察活動などの影響を受けます。日本人と外国人を公平に比較するには、同じ定義、同じ年齢構成、人口当たりの数値が必要です。

新潟市単独で、外国人住民の犯罪件数や人口当たりの犯罪率を継続的に比較できる公表資料は、現時点では確認できませんでした。根拠がないまま「外国人が増えたから犯罪率が上がった」と断定することも、反対に「問題はまったくない」と決めつけることもできません。

ごみ出し、騒音、交通、住居などの生活上の問題も同様です。苦情件数、内容、解決状況を把握し、国籍にかかわらず同じ基準で対応する必要があります。

異文化を尊重することと、日本のルールを守ること

異なる文化や信仰を持つ人が暮らす以上、互いの事情を知り、可能な範囲で配慮することは大切です。しかし、日本で暮らし働く以上、日本の法律と地域のルールを守ることが前提です。

日本側が外国の文化を一方的に否定することも、外国人側が自国の習慣を地域へ一方的に押しつけることも、望ましい共生ではありません。

例えば土葬は、日本で全国一律に禁止されているわけではありませんが、墓地としての許可、自治体の条例、衛生、地下水、土地利用、管理責任、周辺住民への説明など、多くの条件があります。宗教上の希望だけでも、感情的な反対だけでも決められません。地域住民へ情報を公開し、環境と将来の管理まで含めて合意をつくる必要があります。

事業活動についても同じです。車両、廃棄物、労働、安全、税金などの法律は、国籍に関係なく守らなければなりません。一部の違反を外国人全体の問題に広げず、日本人にも外国人にも同じ基準で行政が確認し、悪質な事業者には厳正に対応するべきです。

同時に、ルールを守れと言うだけでは足りません。ごみ、交通、防災、税、社会保険、労働法などを、やさしい日本語や多言語で、本人に届く形で説明することが受け入れ側の責任です。

新潟市の受け入れ態勢

新潟市は2024年7月に「外国人との共生社会推進本部」を設置し、2025年3月に多文化共生基本方針を策定しました。新潟市国際交流協会には、外国語で相談できる窓口があり、日本語講座や生活支援も行っています。

市は、やさしい日本語や多言語による情報発信、相談体制、日本語学習、教育、防災、地域交流などを進めています。受け入れの入口は整備されつつあります。

一方で、離職した人が会社の寮を出ることになった場合、誰が一時的な住居や食事を確保するのか。転職までどの機関が伴走するのか。市内で何人が離職し、その後どうなったのか。こうした「出口」の状況は、市の公開資料からは十分に見えません。

受け入れるなら、入口から出口まで責任を持つ

私は、外国人を無条件に受け入れることにも、外国人というだけで拒絶することにも賛成できません。

必要なのは、人数だけを増やす政策ではなく、地域と本人の双方が無理なく暮らせる範囲を考えることです。

- 来日前の手数料と借金を確認し、悪質な送出機関を排除する
- 雇用契約、賃金、控除、残業、住居条件を母国語でも説明する
- 日本の法律と地域の生活ルールを来日時と就労時に伝える
- 企業任せにせず、市、国、監理団体、支援機関の責任を明確にする
- 離職時の相談、転職、一時住居、食事、帰国支援をつなぐ
- 外国人の犯罪・生活相談・労働相談を、比較可能な形で公開する
- 地域住民の不安や苦情も聞き、問題を放置しない
- 外国人を安価な労働力ではなく、同じ地域で暮らす生活者として扱う

外国人本人に法律やルールを守ってもらうことは当然です。それと同時に、雇用する側や行政にも、適正な賃金と生活環境を用意し、困ったときの出口をつくる責任があります。

受け入れた後の問題を外国人個人だけの責任にせず、制度や雇用のあり方まで検証する。それが外国人を守るだけでなく、新潟市で暮らすすべての住民の安心を守ることにつながります。

今後、新潟市に確認したいこと

1. 在留資格別の市内人数を把握しているか
2. 外国人住民の就業・留学状況を区別に把握しているか
3. 外国人から寄せられる相談の件数、内容、解決状況
4. 離職後に住居や食事を失った人への緊急支援
5. 市内企業、監理団体、登録支援機関との連携体制
6. 外国人児童・生徒と日本語指導が必要な子どもの人数
7. ごみ、騒音、交通など地域トラブルの把握方法
8. 外国人住民に関する犯罪統計を、市人口と比較可能な形で示せるか
9. 外国人患者の医療費未収金や国保料滞納を、事実に基づいて把握しているか
10. 多文化共生施策の予算と、成果を測る指標

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